カーボンクレジットをブロックチェーン上で取引
株式会社Pacific Meta(以下、Pacific Meta)は、ブロックチェーン上でのカーボンクレジットの取引を支援する「カーボンクレジットソリューション」の提供を開始する。カーボンクレジットの生成から検証、取引までのプロセスを追跡可能にし、二重計上の防止、透明性の担保、流動性向上、業務効率化などによるコスト削減につなげるという。2025年7月29日に発表した。
図1 Pacific Metaのブロックチェーンを活用した「カーボンクレジットソリューション」の概要
出所 株式会社Pacific Meta お知らせ 2025年7月29日、「Pacific Meta、ブロックチェーン技術を活用したカーボンクレジットソリューションの提供を開始」
監査コストを最大40%、検証頻度を70%削減
カーボンクレジットソリューションは、ブロックチェーン上でカーボンクレジットに固有IDを付与し、IoTセンサーと連携してデータをモニタリングする。共通プロトコルを使用し、地域間の互換性を確保する。これらにより、煩雑な申請手続きやモニタリング業務の効率を高め、監査コストを最大40%、現地での検証頻度を70%削減するという。
また、カーボンクレジットの発行において、専門知識が求められるプロジェクトの登録申請からモニタリング、クレジット認証までを一貫して支援する。さらに、カーボンクレジット領域でのブロックチェーンを活用した新規事業開発について、事業企画やシステム開発を支援する。
Pacific Metaは、Web3領域でのビジネス支援を通じて蓄積したブロックチェーン活用の知見を活用し、カーボンクレジットソリューションを開発した。将来的には、同ソリューションを国際的な標準として確立することを目指している。
Pacific Metaによれば、東証プライム市場で時価総額3兆円以上の上場企業に対し、2026年度から有価証券報告書でのScope3排出量(サプライチェーン排出量)を含めて開示が義務化される。その中で、カーボンクレジット市場には、二重計上・二重発行のリスク、MRV(計測・報告・検証)のコスト高や検証の遅延、クレジット自体の品質や信頼性の欠如といった課題がある。
参考サイト
株式会社Pacific Meta お知らせ 2025年7月29日、「Pacific Meta、ブロックチェーン技術を活用したカーボンクレジットソリューションの提供を開始」