カルコパイライト太陽電池を路線バスに搭載し実証
神奈川中央交通株式会社(以下、神奈川中央交通)は、路線バスの燃費改善に、「カルコパイライト太陽電池」を活用する実証実験を2025年11月1日に開始した(写真1)。豊田通商株式会社(以下、豊田通商)、株式会社PXP(以下、PXP)と共同で実施し、カルコパイライト太陽電池の路線バスへの適用について検討する。2025年11月4日に発表した。
写真1 カルコパイライト太陽電池を屋根に搭載した路線バス(左)と(右)搭載部分の拡大写真
出所 神奈川中央交通株式会社 最新 2025年11月4日、「次世代型太陽電池を活用した燃費改善実証実験を開始」
低速運転時や停車中の空調向けの電力を発電
カルコパイライト太陽電池は、次世代型太陽電池の1つとして注目されており、軽量かつ薄型で柔軟性が高く、振動や衝撃にも強い。特に耐久性に優れており、車両の屋根への搭載が容易で長期間安定した性能を維持できるという。
神奈川中央交通、豊田通商、PXPによる実証では、路線バス5台の屋根にPXPが開発したカルコパイライト太陽電池を搭載し、主に低速運転時や停車中の空調などに必要な電力を太陽光発電で補完する。これにより、エンジンの負荷を軽減し、燃費改善効果を検証する。
2025年11月1日から2026年3月26日にかけて、神奈川中央交通の平塚営業所管内で実施する。
神奈川中央交通が車両の提供および運行データの収集・協力を、豊田通商が実証実験の企画・運営支援、技術評価および普及可能性の検討を、PXPがカルコパイライト太陽電池の提供および技術支援を担当する。
神奈川県が次世代型太陽電池の早期普及を目的とした「次世代型太陽電池普及促進事業費補助金」を活用しており、3社は、実証の結果を神奈川県へ報告する。加えて、実証の知見を県内外の公共交通事業者や自治体に共有する。
今後、神奈川中央交通と豊田通商は、実証実験の結果をもとにカルコパイライト太陽電池の路線バスへの適用導入可能性を評価する。












