カーボンニュートラル/脱炭素
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建機のCO2排出量を算出するシステム、飛島建設が開発

排出量算定の省力化と精度向上を両立
2025/08/29
(金)

建設機械のCO2排出量を算出

 飛島建設株式会社(以下、飛島建設)は、建設機械の稼働を可視化し、そのCO2排出量を算出するシステムを開発し、稼働している(図1)。排出量算定の省力化と精度向上の両立につなげているという。2025年8月27日に発表した。

図1 飛島建設が開発したシステムは、通信機能を備えた市販の振動センサー、クラウドサーバー、Webアプリを連携させ、建設機械のCO2排出量を算出する

出所 飛島建設株式会社 ニュースリリース 2025年8月27日、「建設機械の稼働を可視化し、CO2排出量を高精度で算出する新システムを開発」

入力ミスや作業時間を削減

 飛島建設のシステムは、建設機械に振動センサーを取り付ける。建設機械が稼働するとセンサーが振動を検知し、稼働データをクラウドサーバーに自動送信してWebアプリケーション上で確認できるようにする。

 Webアプリケーションでは、「ホーム」ページで、稼働データを1時間ごとまたは1日ごとの稼働率を色分けされたカラーバー形式で表示し、作業のピーク時間やアイドリングなどの非稼働時間を確認できる(図2)。

図2 Webアプリケーションに表示した建設機械の稼働状況のイメージ

出所 飛島建設株式会社 ニュースリリース 2025年8月27日、「建設機械の稼働を可視化し、CO2排出量を高精度で算出する新システムを開発」

 CO2排出量は、センサーから得られる稼働時間と、Webアプリケーションに登録された建設機械の型式ごとの排出原単位(CO2排出量の基準値)に基づいて自動で計算する(図3)。算出されたデータは帳票として出力することも可能だ。「重機一覧」ページで、登録中の建設機械を確認でき、初期情報にない建設機械は追加登録できる。

図3 Webアプリケーションに登録された建設機械の一覧のイメージ

出所 飛島建設株式会社 ニュースリリース 2025年8月27日、「建設機械の稼働を可視化し、CO2排出量を高精度で算出する新システムを開発」

 「機器一覧」ページで、振動センサーのシリアルナンバーに加え、各機器が紐付いている建設現場・建設機械、バッテリー残量を確認できる(図4)。

図4 Webアプリケーションに表示された振動センサーの情報のイメージ

出所 飛島建設株式会社 ニュースリリース 2025年8月27日、「建設機械の稼働を可視化し、CO2排出量を高精度で算出する新システムを開発」

 センサーは、通信機能を備えた市販の振動センサーを使用し、単1電池3本で駆動し、IP67の防塵・防水性能を持つ。マグネット式で容易に着脱できる。

 同システムは、4カ所の建設現場での実証を経て、既に2カ所の現場で本格運用を開始している。これにより、従来手作業で行っていた稼働時間の記録が不要となり、入力ミスの削減や作業時間の大幅な短縮といった業務効率化につながっているという。

 加えて、Webアプリケーション上で日々の稼働状況を正確に可視化できるようになったことで、不要なアイドリング時間の見直しや、稼働率の低い建設機械の特定といった、燃費改善やコスト削減につながる副次的な活用も進んでいるという。

 今後、同システムの対象現場を順次拡大し、得られた実データをもとに建設現場単位でのScope1削減計画の策定を推進する方針だ。将来的には、温室効果ガスの排出量を包括的に管理する外部サービスとの連携も視野に入れており、Scope1(直接排出)、Scope2(電力など間接排出)、Scope3(サプライチェーン全体の排出)までを含めた統合的な排出量管理プラットフォームへのデータ出力を計画している。

 飛島建設によれば、脱炭素社会への移行が加速する中、建設業界においてもCO2排出量の正確な把握と削減が喫緊の課題となっている。特に、種類や使用状況が多岐にわたる建設機械からの排出量把握は、従来、担当者の手作業に依存しており、算定の手間や精度の面で多くの課題を抱えていた。


参考サイト

飛島建設株式会社 プレスリリース 2025年8月27日、「建設機械の稼働を可視化し、CO2排出量を高精度で算出する新システムを開発」

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