蓄電池型EV充電システムを活用した共同研究に向け契約締結
関西電力株式会社(以下、関西電力)と蓄電池メーカーの株式会社パワーエックス(以下、パワーエックス)は、蓄電池型EV(電気自動車)充電システムを活用した共同研究契約を締結した。大型総合スーパーにシステムを設置し、EV向けの予約制充電サービスと施設のエネルギーマネジメントの両立について検証する。さらに、VPP(仮想発電所)リソースとして電力市場への参入についても検討を行う。両社が2025年7月25日に発表した。
図1 関西電力株式会社と株式会社パワーエックスによる蓄電池型EV(電気自動車)充電システムを活用した共同研究の概要
出所 関西電力株式会社 プレスリリース 2025年7月25日、「蓄電池型超急速EV充電システムを活用した共同研究の開始」
容量市場への参入も検討
両社の研究では、パワーエックス製の蓄電池超急速EV充電システム「Hypercharger Pro」を活用し、電力料金が高いピーク時間帯に蓄電池から施設へ電力を供給するピークカットを実施し、電気代の削減につなげる。また、蓄電池が持つ調整力を活用し、電力不足が生じた時の供給力を取引する「容量市場」などの電力市場への参入可能性についても検証を行う。さらに、停電時には非常用電源として同システムから設備に電力を供給する。
研究期間は2025年7月〜2027年3月で、2026年度上期中にHypercharger Proを福井県若狭町の大型総合スーパー「PLANT-2 上中店」の駐車場に設置する。
Hypercharger Proは、充電方式に日本発の充電規格で、ショッピングモールなどでも多く用いられている「CHAdeMO」を採用した。蓄電容量が358kWh。2台同時の充電が可能であり、充電出力は1台利用時で最大150kW、2台利用時で最大120kWとなっている。バッテリー容量100kWhのEVを2台接続で充電する場合、20%から80%までの充電を約30分で可能だという。
今後、両社はこれらの検証を通じ、EV充電インフラの整備を進めるとともに、蓄電池システムの調整力活用にかかるノウハウの蓄積や新たな付加価値の発見に向けた取り組みを進める