スマホで電力状況を可視化
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(以下、OSS)は、スマートフォンアプリで太陽光発電の状況などを確認するための機能の提供を開始した(図1)。同社の住宅向け太陽光発電システム用モニタ「エナジーインテリジェントゲートウェイ」をリニューアルし、同機能追加した2モデルを2025年10月から順次発売する。2025年8月21日に発表した。
図1 オムロン ソーシアルソリューションズは「エナジーインテリジェントゲートウェイ」をリニューアルし、スマートフォンアプリで太陽光発電の状況を確認する機能を追加した
出所 オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 ニュースリリース 2025年8月21日、「太陽光の発電状況と家全体の消費状況をスマートフォンで管理 住宅向け「エナジーインテリジェントゲートウェイ」のリニューアルについて」
「ローカルモデル」「ネットワーク接続モデル」の2つを提供
エナジーインテリジェントゲートウェイは、住宅の太陽光発電システムと電力消費状況を管理するシステム。今回リニューアルし、住宅内のWi-Fi環境でのみデータを確認する「ローカルモデル」と、インターネット経由で遠隔からアクセス可能な「ネットワーク接続モデル」の2種類を提供する(図2)。
図2 「ローカルモデル」「ネットワーク接続モデル」のシステム構成例
出所 オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 ニュースリリース 2025年8月21日、「太陽光の発電状況と家全体の消費状況をスマートフォンで管理 住宅向け「エナジーインテリジェントゲートウェイ」のリニューアルについて」
両モデル共通の新機能として、スマートフォンアプリを使用し、太陽光の発電量や売電量、家全体の消費電力、買電状況などを確認するための機能を提供する。オプションで販売する表示ユニットを組み合わせることで、Webブラウザを使用せずに管理することもできる(図3)。表示ユニットは同社製マルチ蓄電プラットフォームのオプション品を改良し、開発した。
図3 計測ユニットとオプションで販売する表示ユニットの外観
出所 オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 ニュースリリース 2025年8月21日、「太陽光の発電状況と家全体の消費状況をスマートフォンで管理 住宅向け「エナジーインテリジェントゲートウェイ」のリニューアルについて」
ネットワーク接続モデルは、最長5年間の実績データなど、より詳細な情報を確認できる。また、システム異常発生時にメールで通知する機能も備えている。ネットワーク接続モデルのユーザーは、OSSが運用するJクレジット還元サービス「みんなでつくるエコ活サークル」に加入できる。同サービスは、太陽光で発電した電力を売電せず自家消費した量に応じてポイントを付与する。ポイントはAmazonポイントなど各種ポイントに交換できる。
両モデルともに、従来機種と同様にHEMS(ホーム エネルギー マネジメント システム)との連携や出力制御にも対応する。HEMSの標準プロトコルである「ECHONET Lite」を採用しており、対応する他社製HEMS機器との連携も可能だ。
ローカルモデルを2025年10月に、ネットワーク接続モデルと表示ユニットを同11月に発売予定。いずれもオープン価格。
OSSによれば、近年、電気料金の高騰や自然災害の増加を背景に、家庭における電気代削減やBCP対策として太陽光発電システムの重要性が高まっているという。また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及促進や地方自治体による太陽光発電設備の設置義務化の動きもあり、住宅市場における関連システムのニーズは拡大を続けている。こうした状況を受け、OSSは2015年に発売した同製品の利便性向上と再生可能エネルギーの自家消費促進を図るため、リニューアルに踏み切った。
今後、OSSは、「ローカルモデル」「ネットワーク接続モデル」を3年間で6万台販売する計画である。